なぜ、急ぎの作業より“気になる細部”を先に直してしまうのか?

今日、一番終わらせる作業を全員でそろえる

 

今回の相談者は、電気工事の監督です。

相談内容

監督
監督

 毎日、職人も私も朝から忙しく動いています。

 それなのに、夕方になると「今日終わらせたかった作業」が終わっていません。

 誰もサボっているわけではありません。

 むしろ、みんな真面目に仕事をしています。

 それなのに工程が予定どおり進まないのです。

 どうしたら改善できるのでしょうか?


まさや
まさや

 このような現場では、まず「誰が悪いのか」を探す必要はありません。

 確認したいのは、

 「現場全員が、今日一番終わらせるべき作業を同じように考えていたか」ということです。

 忙しい現場ほど、人それぞれが「正しい」と思う仕事を優先しています。

 その結果、頑張っているのに、工程だけが遅れてしまうことがあります。


お疲れ様です。
電気工事士のまさやです。

私は工業高校電気科を卒業後、25年以上にわたり電気工事の現場で働いてきました。

見習いから職長、現場代理人、請負、小規模経営まで、さまざまな立場を経験してきました。

その中で何度も見てきたのは、技術があるのに、現場が思うように進まない会社です。

その原因の多くは技術不足ではありません。

「何を優先するか」という基準のズレでした。

このブログでは、そのズレをKPIで見える化し、社長が判断を抱え込まず、職長と若手が同じ基準で動ける現場づくりを目指しています。


今回のズレ

まさや
まさや

 今回取り上げるのは、優先順位のズレです。

 例えば、監督は

 「午前中に幹線配線を終わらせたい」と考えています。

 一方で職人は、

 「器具の通りが少し気になるから、先に直しておこう」と判断します。

 どちらも仕事に対して真剣です。

 しかし、監督は工程を守ろうとし、職人は品質を守ろうとしています。

 守ろうとしているものが違うため、「今やるべきこと」が一致していないのです。


なぜ、この問題が起こるのか

まさや
まさや

 多くの現場では、

 「急いでください」や「優先してください」

 という言葉は使われます。

 しかし、何を一番優先するのか

 どこまで終われば今日の目標なのかまでは共有されていないことが少なくありません。

 すると、それぞれが自分の経験や価値観をもとに判断します。

 結果として、誰もサボっていないのに、現場全体では工程が遅れてしまいます。


今回おすすめするKPI

そこで、今回おすすめするKIPは

最優先作業達成率

このKPIの目的は、

現場全員の優先順位がそろっているかを確認することです。

工程の進み具合だけを見るのではなく、

「今日、一番終わらせるべき作業」が予定どおり完了したかを確認します。


現場でのやり方

朝礼で、次の2つだけを全員で共有します。

・今日、一番優先する作業

・どこまで終われば完了なのか

そして夕方、

最優先作業が予定どおり完了したかを確認します。

もし達成できなかった場合は、「誰が悪かったのか」ではなく

なぜ優先順位がそろわなかったのかを振り返ります。


声かけ例

「今日は幹線配線を最優先で進めます。」

「器具の微調整は、幹線配線が終わってから行いましょう。」

「迷ったら、まず今日の最優先作業に戻って判断してください。」

このように、

今やること後でやることをセットで伝えることがポイントです。


起こしやすいタイプ

このような場面は、

特にタイプ1タイプ9で起こりやすい傾向があります。

タイプ1は、

品質や正しさを大切にするため、気になる部分を今のうちに直しておきたいと考えます。

タイプ9は、

全体の流れや周囲との調和を大切にするため、その場で頼まれたことや目の前の仕事を優先しやすい傾向があります。

どちらも現場に必要な強みですが、優先順位が共有されていないと、工程とのズレが生まれることがあります。


参考図書

『イシューからはじめよ』

この本では、

「本当に解決すべき問題を見極めること」が成果につながると解説されています。

現場でも同じです。

最優先作業を決めることは、

「今日、本当に解決すべき課題」を決めることでもあります。


まとめ

忙しい現場ほど、全員が頑張っているにもかかわらず工程が遅れることがあります。

その原因は、能力不足ではなく、

優先順位の基準が人によって違うことかもしれません。

まずは
「今日、一番終わらせる作業」を全員で共有することから始めてみてください。

そして、その結果を最優先作業達成率で記録していくことで、現場の判断基準は少しずつそろっていきます。

それが
社長が判断を抱え込まず、職長と若手が基準に沿って動ける現場づくりへの第一歩になります。

⛑️保安全に⛑️