強く言うほど、本音は消える

― 正しさが現場を止める瞬間 ―

「それ違うよ」
「ちゃんとやって」
「何度言えば分かるんだ」

間違ってはいない。
むしろ正論です。

ですが――
強く言えば言うほど、現場から本音は消えていきます。


なぜ、本音は消えるのか

人は強い言葉を受けた瞬間、“正しいかどうか”よりも先に

自分を守るかどうかを判断します。

・言い返す
・黙る
・表面上だけ従う

これは反抗ではありません。
防御です。


強さは、相手を黙らせる力になる

経営者や職長ほど、責任を背負っているからこそ言葉が強くなる。

ですが、強い言葉は

✔ 間違いを減らす
✔ スピードを上げる

効果がある一方で、

✔ 意見が出なくなる
✔ 違和感が共有されなくなる
✔ 小さなミスが後から膨らむ

という副作用を生みます。


本当の問題は「恐れ」

強く言う人は、不安を抱えています。

・事故を起こしたくない
・品質を落としたくない
・信用を失いたくない

つまり守ろうとしている。

一方、言われた側も守ろうとする。

この“守り合い”が起きた瞬間、本音は消えます。


構造で見ると、責める必要はない

ここで感情で処理すると

「言い方が悪い」
「若手が弱い」

という対立になります。

ですが実際は、

・正しさを守ろうとしている人
・安心を守ろうとしている人

の判断基準の違いです。


本音が出る現場とは

本音が出る現場には共通点があります。

それは、

「正しさ」より先に安心の土台があること。

強く言わなくても伝わる構造。

役割が明確で、確認の意味が共有されている。

だから意見が出る。


止まっているのは、人ではない

強く言う人も、黙る人も悪くない。

止まっているのは、噛み合いの設計です。

本音が消えるのは、関係性の問題ではなく、構造の問題。

ここを整えると、言葉は柔らかくても現場は強くなります。

 

⛑️保安全に⛑️