「アイデア」が増えるほど、現場が迷う

― ある打ち合わせの午後 ―

現場事務所。

職長が工程を説明している。
「今週はこの流れでいきます」

社長が口を挟む。

「そうだ、あの新しい工法も試せないか?」
「あと、SNSも始めよう」
「せっかくだから新サービスも考えよう」

場は盛り上がる。

可能性が広がる。

だが――
職長の目は一瞬、止まる。


■ 何が起きているのか

職長の頭の中ではこうなる。

・今の計画は変わるのか?
・優先順位は?
・結局どれをやるのか?

すると、

段取りが揺れる。
決定が曖昧になる。
準備が進まない。

結果、現場が止まる。


■ 社長の頭の中

社長はこう考えている。

・可能性は広げたほうがいい
・動きながら考えればいい
・面白そうならやってみよう

このタイプ傾向の経営者は、

・発想が豊か
・前向き
・エネルギーがある

会社を成長させる推進力がある。

だが――

選ばないと、組織は迷う。


■ 本当の原因

止めているのは“挑戦”ではありません。

優先順位の未確定です。

このタイプは可能性を広げる。

しかし、

広げたまま閉じないと、現場はこう感じる。
「何が一番大事か分からない」

優先順位が曖昧な現場では、

集中が散る。
責任がぼやける。
成果が積み上がらない。

これが、静かに止まる構造。


■ ここでひとつの視点

もしあなたが、

・新しいことを思いつく
・退屈が苦手
・「面白そう」が判断基準

こうした傾向があるなら、

それは エニアグラムでいう「タイプ7」 の可能性があります。

タイプ7は、

組織を前に進める力がある。
停滞を破る力がある。
希望を生む力がある。

だからこそ――

選択と集中が設計されないと、現場は振り回される。


■ 改善のポイント

タイプ7が現場を動かすために必要なのは、

広げる”と“決める”を分けること。

たとえば、

✕「これもやろう、あれもやろう」
◯「アイデアとして置いておく。今月はこれに集中」

✕「面白そうだから試そう」
◯「今期の目標に合うならやる」

可能性を出すことと、実行を決めることを分ける。

それだけで、現場は動きやすくなる。

発想は武器になる。
だが、絞らなければ混乱になる。

方向が定まったとき、
勢いは“成果”に変わります。


■ 経営者への問い

あなたのアイデアは、道を示していますか?
それとも、選択肢を増やしすぎていませんか?

タイプ7の力は、

会社を拡大させる力にも、
組織を散らす力にもなる。

違いは、最後に「決めているか」だけです。

一つに絞る勇気が、
現場を加速させます。


経営と職人、その両方を知る立場から。
止まる構造を可視化し、
止まらない現場づくりを支えています。

 

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