エニアグラムの囚われとは何か?

― 頑張っている人ほど、気づきにくいクセの話 ―

「ちゃんとやっているのに、うまく回らない」理由

現場で、こんな経験はないでしょうか。

  • 自分では丁寧に教えているつもりなのに、同じミスが減らない
  • 任せたい気持ちはあるが、結局自分で手を出してしまう
  • 現場を守ろうとするほど、気が休まらない

決して、やる気がないわけではありません。
むしろ真面目で責任感が強い人ほど、こうした悩みを抱えがちです。

この背景にある考え方を、エニアグラムでは「囚われ」と呼びます。


囚われとは「無意識に続けている考え方のクセ」

囚われとは、簡単に言うと
本人は良かれと思って、無意識に繰り返している考え方や行動のクセです。

電気工事の現場では、例えばこんなものです。

  • 「安全のためには、細かく見ておかないといけない」
  • 「中途半端な仕事はさせられない」
  • 「自分が確認しないと不安だ」

どれも、間違った考えではありません。
むしろ、これまで現場を支えてきた大切な姿勢です。

ただし、この考え方が強くなりすぎると、思わぬズレを生みます。


囚われが強く出やすい場面

囚われは、普段はあまり意識されません。
次のような場面で、特に強く出てきます。

  • 工期が迫っているとき
  • ミスが許されない作業をしているとき
  • 新人や若手に仕事を任せたとき
  • 現場全体を見なければならないとき

こういうとき、頭の中では
「ちゃんとやらせなきゃ」
「自分が見ておかないと」
という考えが自然と浮かびます。

これが囚われです。


囚われが現場で起こす、よくあるすれ違い

任せたつもりが、任せきれていない

「ここは任せるよ」と言いながら、

  • 途中で何度も確認する
  • やり方を細かく指定する
  • 結果だけ見て評価する

こうしたことが続くと、作業者は
「どうせ後で直される」
「言われた通りやればいい」
と感じるようになります。

その結果、考える力や責任感が育ちにくくなります。


注意はしているのに、相談されなくなる

安全や品質を守るための注意は必要です。
しかし、注意が続きすぎると、

  • 報告が遅れる
  • ミスを隠す
  • 相談しにくくなる

という状態が起こります。

リーダーが悪いわけではありません。
**「守ろうとする姿勢」**が、強く出すぎただけです。


囚われは、悪いものではありません

ここで大切なのは、囚われを「直すべき欠点」と思わないことです。

囚われは、

  • 現場を守るため
  • 事故を防ぐため
  • 信頼を積み重ねるため

に身についた、あなたの経験そのものです。

問題は、いつも同じやり方しか選べなくなることです。


囚われに気づくための、簡単な問い

現場で少し立ち止まって、次の問いを自分に向けてみてください。

  • 今、自分は「正しくやらせたい」のか、「経験させたい」のか
  • ここは本当に、今すぐ口を出す場面だろうか
  • 失敗しても、取り返せることではないだろうか
  • 自分がやらなくても、学べる場面ではないだろうか

この問いが浮かぶだけで、囚われは少しずつ緩みます。


まとめ|囚われに気づくと、現場は少し楽になる

電気工事の現場は、技術だけでなく、人との関わりで成り立っています。

囚われに気づくことは、自分を責めることではありません。
選択肢を増やすことです。

「今回は見守ってみよう」
「今回は任せてみよう」

そんな小さな選択が、現場を回し、リーダー自身を楽にしてくれます。

まずは、
「自分にも、こういうクセがあるかもしれない」
そう気づくところからで十分です。

 

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