「結果」は出ているのに、なぜか人が育たない

―― ある月末の出来事 ―

月末の数字が出た。

利益は予定を上回っている。
工程も守れている。
クレームもない。

「今月も問題なしだな」
社長は静かにうなずいた。

数字は整っている。
成果も出ている。

それなのに――
なぜか、次の現場で同じミスが起きる。


■ 何が起きているのか

若い職長の頭の中には、こうある。

・とにかく結果を出さなければ
・失敗は評価を下げる
・数字がすべてだ

だから、隠す。

小さなズレは報告しない。
迷いは自分で抱える。
失敗は言わない。

結果が出ていれば、問題にならない。

だが――
学びも共有されない。


■ 社長の頭の中

社長はこう考えている。

・利益が出なければ意味がない
・結果がすべてを証明する
・評価は数字で公平に

それは経営として正しい。
だが、無意識にこうも伝えている。

「過程より、成果」

すると現場はこう学んでしまう・・・

“途中は見られていない”


■ 本当の原因

止めているのは“成果主義”ではありません。

評価軸が一つしかないことです。

・売上
・粗利
・工程達成

これだけが評価基準になると、現場は挑戦しなくなる。

なぜなら――
失敗は数字に残るから。

これが、静かに成長を止める構造。


■ ここでひとつの視点

もしあなたが、

・結果で自分を証明してきた
・評価は成果で決まると思っている
・常に「次の成功」を見ている

こうした傾向があるなら、

それは エニアグラムでいう「タイプ3」 の可能性があります。

タイプ3は、
「達成」「成功」「評価」を大切にするタイプです。

組織を前進させる力がある。
数字をつくる力がある。

だからこそ――

成果だけを追うと、
挑戦が減り、報告が減り、相談が消える。


■ 改善のポイント

タイプ3が現場を育てるために必要なのは、

成果に「過程評価」を加えること。

たとえば、

✕「今月も利益はクリアだな」
◯「今月、一番苦労した判断はどこだった?」

この一言で、

現場は“考えた過程”を言語化し始める。

成果は武器になる。
だが、過程が共有されなければ再現性は生まれない。

評価の軸が増えたとき、
それは“育成”に変わります。


■ 経営者への問い

あなたは今、結果を見ていますか?
それとも、判断の質を見ていますか?

タイプ3の力は、
会社を伸ばす力にも、人を数字化してしまう力にもなる。

違いは、評価の設計だけです。

月末の一言が変わるだけで、
現場の挑戦は増えていきます。


経営と職人、その両方を知る立場から。
止まる構造を可視化し、
止まらない現場づくりを支えています。

 

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