9つの「囚われ」

― 良かれと思っているのに、なぜか噛み合わない ―

現場が止まるとき、
サボっている人がいるわけではありません。

むしろ逆です。

真面目で、責任感があって、
「ちゃんとやろう」としている人ほど、ぶつかります。

その理由を、ここでは「囚われ」と呼びます。

囚われとは、
大事にしているものが強くなりすぎた状態です。


正しくやりたい人(タイプ1)

「それ違うよ」
「基準通りにやって」

品質を守る人です。

でも強くなりすぎると、

  • 若手が話しかけにくくなる
  • ミスを隠す
  • 空気がピリつく

正しさを守ろうとするほど、話しにくくなります。


人を助けたい人(タイプ2)

「俺がやっとくよ」
「大丈夫か?」

面倒見がよく、頼られる存在です。

でも強くなると、

  • 抱え込みすぎる
  • 任せられない
  • 若手が育ちにくい

助けようとするほど、自分が手放せなくなります。


早く結果を出したい人(タイプ3)

「急ごう」
「早く終わらせよう」

工期や成果を守る人です。

でも強くなると、

  • 不安が言いづらい
  • 確認が減る
  • 後からトラブルが出る

早さが、確認を後回しにします。


自分のやり方を大事にしたい人(タイプ4)

「うちはこうやる」
「このやり方が好きだ」

こだわりを持つ人です。

でも強くなると、

  • 標準化を嫌う
  • 気分に左右される
  • 再現しにくい

こだわりが強すぎると、流れが止まります。


深く考えてから動きたい人(タイプ5)

「少し考えさせて」
「情報を整理したい」

冷静に分析する人です。

でも強くなると、

  • 動きが遅くなる
  • 現場との距離ができる
  • 共有が減る

考えすぎると、動きが鈍ります。


心配になる人(タイプ6)

「本当に大丈夫か?」
「もう一回確認しよう」

事故を防ぐ人です。

でも強くなると、

  • 決断が遅くなる
  • 不安が広がる
  • 前に進みにくくなる

心配が増えると、一歩が出にくくなります。


楽しく進めたい人(タイプ7)

「前向きにいこう」
「なんとかなる」

場を明るくする人です。

でも強くなると、

  • 細かい問題を後回しにする
  • 深い話を避ける
  • 詰めが甘くなる

楽しさを優先すると、細かい確認が甘くなります。


主導権を握りたい人(タイプ8)

「俺が決める」
「任せろ」

力強く引っ張る人です。

でも強くなると、

  • 圧が強くなる
  • 意見が出にくい
  • 反論が消える

強く出るほど、周りが静かになります。


波風を立てたくない人(タイプ9)

「まぁいいか」
「揉めない方がいい」

現場を穏やかに保つ人です。

でも強くなると、

  • 本音が出ない
  • 問題が残る
  • 決断が先延ばしになる

静かな現場が、問題をそのままにします。


どれも悪くない

正しさも、
助け合いも、
早さも、
慎重さも、
強さも、
やさしさも。

全部、現場には必要です。

問題は、それだけが正しいと思ったとき。

自分が大事にしているものを、相手も同じように大事にしているとは限りません


小さな会社ほど影響が大きい

10人前後の会社では、
社長や職長の考え方がそのまま現場の空気になります。

強く言えば動く。

でも、本音は減る。

誰かが悪いのではありません。

見ているものが違うだけです。


まずは気づくことから

自分はどのタイプが強いだろうか。

それに気づくだけで、
言い方が少し変わります。

現場も少し変わります。

囚われをなくす必要はありません。

強すぎないように、整えるだけです。

 

⛑️保安全に⛑️

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