― 建築業の現場で「人の問題」を整理するための考え方 ―
はじめに
建築業の仕事は、技術と経験がものを言う世界です。
しかし実際の現場では、「技術以外の部分」でつまずく場面が多くあります。
- 指示したはずなのに、意図が伝わっていない
- 注意すると、やる気をなくす人がいる
- 任せたいが、どこまで任せていいかわからない
こうした問題の多くは、能力不足ではなく、人の受け取り方・考え方の違いから生まれています。
その違いを整理して理解するための道具が、エニアグラムです。
エニアグラムとは何か
エニアグラムとは、人の性格や行動の傾向を9つのタイプに分けて捉える考え方です。
ただし、「あなたはこのタイプだからこうだ」と決めつけるためのものではありません。
エニアグラムが注目するのは、
- なぜその行動を取るのか
- 何を大切にして仕事をしているのか
- 何にストレスを感じやすいのか
といった、行動の裏にある動機です。
同じミスをしても、「申し訳なさで固まる人」「言い訳を探す人」「次で挽回しようとする人」がいるように、人は同じ現場にいても、見ている世界が違います。
エニアグラムは、その違いを言語化します。
なぜ建築業でエニアグラムが役に立つのか
建築業は、人との距離が近い仕事です。
- 少人数で動く
- 現場で即判断が求められる
- 感情が表に出やすい
こうした環境では、「人のクセ」を理解していないと、摩擦が起きやすくなります。
エニアグラムを使うことで、
- 「この人は、まずは行動するタイプだな」
- 「この人は、まず安心感が必要なタイプだな」
- 「この人は、まず考えるタイプだな」
といったように、対応の仕方を変える視点が持てます。
結果として、
- 無駄な衝突が減る
- 注意や指示が通りやすくなる
- 任せ方の精度が上がる
という変化が生まれます。
技術指導だけでは人は育たない
建築業では、「やって見せる」「覚えさせる」文化が根強くあります。
もちろん技術指導は重要です。
しかし、
- なぜやらないのか
- なぜ質問しないのか
- なぜ同じミスを繰り返すのか
こうした部分は、性格や価値観の違いが大きく影響しています。
エニアグラムを知ると、「やる気がない」のではなく「やり方が合っていない」という見方ができるようになります。
これは、指導する側にとっても、される側にとっても大きな助けになります。
エニアグラムは「人を分ける」ためではない
誤解されやすいのですが、エニアグラムは人にレッテルを貼るためのものではありません。
むしろ、
- なぜ噛み合わないのか
- なぜイライラするのか
- なぜ話が通じないと感じるのか
その理由を構造として理解するための道具です。
理解できれば、感情的にならず、対応を選べるようになります。
これは、現場を預かる立場になればなるほど、大きな武器になります。
まとめ
エニアグラムとは、人の行動の理由を整理し、現場での関わり方を考えるための考え方です。
簡単に言えば、良いものをつくるための施工図ですね。
建築業の現場では、技術 × 段取り × 人の理解
この3つがそろって、初めて安定した仕事ができます。
エニアグラムは、その中の「人の理解」を補うツールです。
まずは難しく考えず、「人にはタイプがある」という視点を持つところから始めてみてください。
現場の見え方が、少しずつ変わってくるはずです。
⛑️保安全に⛑️
