「なんであの人は、あんな言い方をするんだろう?」
「どうして私は、同じことでいつも悩むのだろう?」
それは、囚われが原因かもしれません。
囚われとは、無意識のうちに強く執着してしまう思考や感情、行動パターンのことです。
一言でいえば「思い込み」です。いつの間にかとってしまっている考え方・行動・発言などですね。
エニアグラムでは、タイプを9つに分類し、それぞれの囚われを分析しています。
囚われの正体とは?
囚われは、あなたの中の「正しいと思い込んでいる価値観」や「安全を守るための習慣」で、人生を形作ってきた重要な要素です。
しかし、それを「自分だ」と思い込みすぎると、選択肢が狭まり、自由さが失われます。
例:
- タイプ1 → 「間違ってはいけない」という強いこだわり
- タイプ2 → 「人の役に立たなければ愛されない」という思い込み
- タイプ5 → 「十分に知識を蓄えなければ安全ではない」という信念
これらは、一見ポジティブにも見えますが、行き過ぎると視野を狭め、柔軟さを失わせます。
なぜ囚われに気づくことが大切なのか?
囚われに気づくことは、「無意識にとってしまう行動のパターン」を理解することです。
これにより
- 無意味な苦しみや葛藤を減らせる
- 自分や他人への理解が深まる
- 人間関係が円滑になる
- 自己成長や変化の第一歩を踏み出せる
といったメリットがあります。
囚われに気づかずにいると、同じパターンのトラブルや感情のもつれを繰り返し、「なぜ自分はいつもこうなるのか?」と悩み続けることになります。
9つのタイプ別 囚われの特徴と心のパターン
タイプ1(改革者):「完璧」
自分や他人に対して厳しい基準を持ち、完璧主義や正義感が強いタイプ。囚われると、常に「間違ってはいけない」「正しくあるべき」と自分を責め続け、無意識に自己批判が強くなります。
タイプ2(助ける人):「必要とされる」
他人に尽くすことが自己価値の源泉。囚われると、無意識に相手の期待に過剰に応えようとし、見返りを求めたり、拒絶されることを恐れます。
タイプ3(達成者):「成功」
成果や評価に重きを置き、自分の価値を仕事や成果で判断しがち。囚われると、本当の感情や弱さを隠し、無意識に自己イメージの維持に必死になります。
タイプ4(個性的な人):「特別」
独自性や深い感情を大切にし、自己表現にこだわるタイプ。囚われると、無意識に孤独感や欠乏感に捕らわれ、他人と違うことに過剰な意味を見出します。
タイプ5(調査者):「知識」
自分の世界に閉じこもり、情報収集や分析を通じて安心感を得ようとします。囚われると、無意識に感情表現を避けて孤立しやすくなります。
タイプ6(忠実な人):「安全」
危険やリスクに敏感で、安心を求めるあまり疑心暗鬼になりがち。囚われると、不安が過剰になり、無意識に自己防衛的な態度を取ります。
タイプ7(熱中する人):「貪食」
ポジティブで自由を愛するタイプ。囚われると、もっと楽しいことを、もっと新しい経験をと無意識に求める。
タイプ8(挑戦者):「欲望」
強さや支配力を重視し、弱さを見せないタイプ。囚われると、無意識に攻撃的になったり、他者を支配しようとする傾向が強まります。
タイプ9(平和をもたらす人):「怠惰」
調和と平和を重んじるタイプ。囚われると、無意識に自分の感情を見ないようにして意見を抑え込み、現状維持に固執しがちです。
囚われから抜け出すためのヒント
- 自分の囚われに気づく
エニアグラムの知識を活かし、自分がどの囚われに当てはまるか認識することが最初の一歩です。 - 自己観察を続ける
日々の感情や思考パターンを観察し、囚われている瞬間を意識的に捉えましょう。 - 囚われの枠を広げるワークを行う
例えば、意図的に異なる視点を持つ、感情を言葉に出す、安心できる人に話すなど。 - 小さな変化を試みる
例えば、いつもと違う言動をしてみる。違和感があっても、自分を責めずに続けることが重要です。 - 専門家やコミュニティのサポートを得る
エニアグラム講座やカウンセリング、同じタイプの人たちとの交流も大きな助けになります。
まとめ:囚われを超えて、自由な自分へ
エニアグラムの囚われとは、あなたを縛る「無意識のクセ」。
それは過去にはあなたを守ってくれたものであり、今のあなたを作った大切な一部でもあります。
しかし、それに気づき、距離を取ることができれば、もっと自由に、もっと柔軟に、自分らしい生き方ができるようになります。
囚われは誰にでもあるものです。大切なのは「囚われに気づき、自分の心のパターンを理解し、少しずつ自由になること」です。
エニアグラムは、そのための強力な道しるべとなります。ぜひ自分の囚われを知り、そこから抜け出すプロセスを楽しんでみてください。